物語
昔々、山の頂上にある小さな寺院に三人の僧侶が住んでいました。一人は年老いた僧侶で、二人は若い僧侶でした。
寺院には水がなく、僧侶たちは山のふもとにある泉から水を運んでこなければなりませんでした。最初は、一人の僧侶が水を運ぶ仕事を担当していました。彼は毎日、二つのバケツを棒に担いで水を運び、それは大変な労働でした。
やがて、二人目の僧侶が寺院に加わりました。二人で水を運ぶようになったのですが、彼らは水を運ぶ責任を巡って言い争い始めました。「どちらがより多くの水を運ぶべきか」「どちらがより重いバケツを持つべきか」といった議論が絶えませんでした。
結局、二人は水を運ぶのをやめてしまい、寺院には水が不足するようになりました。
解決策
その後、三人目の僧侶が寺院に加わりました。三人とも賢い僧侶でしたが、水を運ぶ仕事をどう分担するかでさらに問題が複雑になりました。
ある日、三人の僧侶は座禅を組み、この問題について話し合いました。彼らは、一人で水を運ぶのは大変すぎるが、二人や三人で運ぶと責任の分担で争いが生じることに気づきました。
そして、彼らは素晴らしい解決策を思いつきました。一本の長い棒を見つけ、それに三つのバケツを等間隔に吊るすことにしたのです。こうして三人一緒に水を運べば、一人ひとりの負担は軽くなり、平等に責任を分担できることに気づいたのです。
この方法で、三人の僧侶は協力して水を運ぶことができ、寺院にはいつも十分な水が供給されるようになりました。